医療において多くの職種が薬剤に関わるなかで、各職種からみた薬剤はどのように理解されているでしょうか?検査や放射線検査に使用する薬剤の指示が、処方オーダではなく検査・放射線オーダや部門システム側の扱いになったり、運用や禁忌チェックなどが煩雑となったりしています。また、同じ薬剤であっても、施設によっても運用が様々であるため、他施設のノウハウが自施設では同じように活用できないケースもあります。今回は、薬剤部門システムの仕組みを知っていただき、それぞれの職種が抱える、薬についての様々な疑問点や課題を明らかにし、相互理解を深めたいと思います。
また、第二部として、医療英語の翻訳の際に用いられているライフサイエンス辞書
(Life ScienceDictionary、LSD)創設者である京都大学大学院の金子周司先生をお迎えします。薬剤を取り巻く環境が目まぐるしく変わる中で、そこに関わる情報は、どのように扱われ?どう理解されてきたのかでしょうか?そこに立ちはだかる言語の壁を乗り越えるために必要なことは何でしょう?「言葉」「情報」が“今”・“これから”のCUE(きっかけ・手がかり・合図)になると期待を込めています。
第三部のディスカッションでは講師の先生方にご登壇いただき、活発な議論を行いました。会場からも多くの質疑をいただきました。
大勢のご参加ありがとうございました。
今回の勉強会は、日本医療情報学会関西支部、KMI(関西医療情報処理懇談会)、関西医療情報技師会の3会合同による開催となります。
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開会挨拶
開催趣旨説明
第一部 「知ってほしい薬剤部門システム」
1)薬剤部門システムの現状
「調剤って、こんな感じです。」
ベリタス病院 薬剤科 小野聡 先生
2)看護師が知りたい薬剤部門システム
(仮)看護師の立場で薬剤を実施する立場から「薬剤実施するときに使うシステム」
神戸市立医療センター中央市民病院 中西寛子 先生
3)医師が知りたい薬剤部門システム
「医師の目線、システム管理者の目線から薬剤部門システムに期待すること」
大阪大学 武田理宏 先生
第二部 「ライフサイエンス辞書からクリニカルインフォマティクスへ」
京都大学大学院薬学研究科・生体機能解析学分野 金子周司 先生
第三部 総合討論
閉会挨拶